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この記事ではビットコインの歴史を2008年の誕生から現在まで詳しく解説しています。
はじめに
2009年に突如現れた「ビットコイン」は、当初は一部の技術者の間で実験的に使われるだけの存在でした。しかし今や、国家レベルの議論を呼び、世界中の金融システムに大きな影響を与えるまでに成長しています。
本記事では、ビットコインの歴史を「創生期」から現在まで時系列でたどりながら、なぜこれほどまでに注目されているのかをわかりやすく解説していきます。
創生期(2008~2010年)
ビットコインの物語は、2008年10月、サトシ・ナカモトという匿名の人物によって発表された論文から始まりました。この論文では、「中央機関に依存しないデジタル通貨」の構想が示されました。
翌2009年1月には最初のブロック(ジェネシスブロック)が生成され、ビットコインネットワークが正式に稼働。初期のビットコインは主に技術者コミュニティの間で実験的に利用され、2009年には「1BTC=0.07円」という最初期の交換レートも登場しました。
当時はほとんど価値のない趣味的な存在でしたが、2010年5月にはプログラマがピザ2枚と1万BTCを交換した出来事(通称「ビットコイン・ピザ事件」)が発生。これはビットコインが現実の商品と交換された初の事例として語り継がれています。
普及と波乱の展開(2011~2014年)
2011年になると徐々にビットコインの認知度が高まり、1BTCの価格が1ドルを突破し、これを機に、投資目的での売買が活発化し、ビットコイン価格は上昇と急落を繰り返すようになります。
2013年末には1BTC=1,000ドルを超える急騰がありましたが、直後に中国が金融機関によるビットコインの取り扱いを禁止。市場は急落し、価格の不安定さが浮き彫りとなります。
そして2014年、日本の取引所Mt.Gox(マウントゴックス)が大量のビットコインを流出させて破綻しました。この事件では約470億円相当の資産が失われ、ビットコインの信頼性が大きく揺らぎました。同時にこの事件は、世界各国での規制整備のきっかけにもなりました。
成熟と拡大(2015~2017年)
Mt.Gox事件によって一時は沈静化したビットコイン市場ですが、技術の改善や新興国での需要拡大を背景に再び成長路線へ進みました。
2016年には2度目の発行量半減期を迎え、供給減を背景に価格は上昇しています。2017年にはついに1BTC=2万ドル近くに達し、個人から機関投資家まで多くの資金が流入しました。
日本でも2017年4月、改正資金決済法が施行され、ビットコインが正式に「支払手段」として認められるようになります。さらに、ビックカメラがビットコイン決済を全店舗で導入するなど、商取引への応用も始まりました。
このような動きを背景に、2017年は「ビットコイン元年」と呼ばれています。
近年の動向(2018~2021年)
2018年、前年度の過熱相場の反動でビットコイン価格は暴落しました。「バブル崩壊」とも言われたこの時期ですが、水面下では着実に技術と制度の整備が進められていました。
2020年以降、新型コロナによる経済不安からインフレヘッジ資産(デジタル金)として注目を集め、2021年4月には1BTC=6万ドル超を記録しています。
同年9月には中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用し、世界に衝撃を与えました。一方、中国は同年、暗号資産のマイニングや取引を全面的に禁止し、規制の強化も進みました。
ビットコインは国ごとの対応差が明確になる一方で、政府が無視できない存在になったことを示す時期でもありました。
現在と今後(2022年~現在)
2022年には、FTXの破綻やインフレ不安などの影響で市場全体が低迷し、ビットコインの価格は一時16,000ドル台にまで下落しました。
しかし2023年以降、各国での法整備が進み、機関投資家の参入が活発化しました。EUではMiCA規制が承認され、米国でもビットコイン現物ETFの承認をめぐる議論が進行しています。
2024年には4回目の半減期を控えており、過去の傾向を踏まえた「強気相場への転換」への期待も高まっています。
おわりに
ビットコインは、誕生から十数年の間に幾度も浮き沈みを経験しながらも、その都度進化と信頼性を高めてきました。
「インターネットの誕生に匹敵する金融革命」とも言われるビットコインは、これからも世界中の金融システムに挑戦し続けていくでしょう。
この先どのような未来が待っているのか、投資家だけでなく社会全体にとっても、引き続き注目すべき存在です。
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