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本記事では、web3の代表的な実例であるDApp・DAO・DeFiをわかりやすく解説しています。
はじめに：web3はもう現実になっている
近年注目を集めている「web3（ウェブスリー）」は、単なるテクノロジーの話ではありません。インターネットの仕組みそのものを、よりオープンで分散化された構造へ進化させようという壮大な挑戦です。
しかし、「web3って結局どんなもの？」「それってもう使えるの？」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんなweb3がすでに実用段階に入っている具体的な事例（ユースケース）として、次の3つに焦点を当てて解説していきます：
- 分散型アプリケーション（DApp）
- 分散型自律組織（DAO）
- 分散型金融（DeFi）
それぞれの特徴、可能性、課題をわかりやすく紹介していきます。
分散型アプリケーション（DApp）：中央のないアプリの世界
DApp（ディーアップ）とは、ブロックチェーン上で動作するアプリケーションを意味します。
従来のアプリは、特定の企業が用意したサーバーで運営されており、その企業がデータを管理しています。これに対し、DAppは分散型ネットワークとスマートコントラクトを活用して動作するため、中央に依存しません。
たとえば、以下のような分野でDAppが活躍しています：
- ユーザー同士で直接暗号資産を取引できる分散型取引所（DEX）
- 預けた仮想通貨に利息がつくレンディングサービス
- アイテムがNFTとして存在するブロックチェーンゲーム
- オープンなNFTマーケットプレイス
- 運営がユーザー主体の分散型SNS
DAppは多くがオープンソースで開発されており、参加者自身が改良や運営に関与できる仕組みになっています。これは、web3が目指す「誰もが主役になれるインターネット」を象徴しています。
とはいえ、現在のDAppには課題もあります。特に、取引速度や手数料の高さ（スケーラビリティ問題）、スマートコントラクトの脆弱性など、解決すべき技術的なハードルが残されています。
分散型自律組織（DAO）：トップがいない組織運営
DAO（ダオ）は、「Decentralized Autonomous Organization」の略で、日本語では「分散型自律組織」と訳されます。
これは、従来の会社や団体とはまったく異なる形の組織形態です。DAOではCEOや取締役といった中央の意思決定者は存在せず、スマートコントラクトにあらかじめ定義されたルールに基づいて組織が動きます。
組織内の意思決定は、トークンを持つ参加者による投票（ガバナンス）によって行われます。
DAOの代表的なユースケース
- 暗号資産の共同投資ファンド
- コミュニティが方針を決めるSNS
- DeFiプロトコルの運営ガバナンス
- デジタルアートの共同購入団体
DAOは透明性が高く、会計情報もブロックチェーン上に記録されて公開されます。参加者全員が意思決定に関与できるという点で、まさに「民主的なインターネット組織」と言えるでしょう。
一方で、DAOには法的な位置づけがあいまいという課題もあります。また、プログラムされたルールでは判断しきれない事態への対応など、人間の裁量をどう取り入れるかといった設計の難しさも議論されています。
分散型金融（DeFi）：銀行のない金融サービス
DeFi（ディーファイ）は、「Decentralized Finance」の略で、仲介者のいない金融サービスを意味します。
具体的には、ブロックチェーン上で提供される以下のようなサービスがDeFiに該当します：
- 預け入れによる利息収入を得るレンディングサービス
- 担保を提供して暗号資産を借りられる貸付プロトコル
- 暗号資産を自動的に交換できる分散型取引所（DEX）
これらはすべてスマートコントラクトによって制御されており、ユーザーはウォレットを持っていれば、世界中どこからでもアクセスできます。
DeFiの魅力は、以下のような点にあります：
- 銀行口座がなくても利用可能（金融包摂）
- 高速な取引と手数料の透明性
- サービス同士を組み合わせて新しい商品を創出できる（マネーレゴ）
しかし、当然ながらリスクも無視できません。価格変動やハッキング、スマートコントラクトの不具合による資金損失など、自己責任での利用が求められる世界でもあります。
おわりに：web3は“次の当たり前”になるか？
今回紹介したDApp・DAO・DeFiは、web3の可能性を象徴する三本柱です。
どれもまだ発展途上ではあるものの、「個人が力を持ち、中央に依存しない世界」が現実になりつつあることは間違いありません。
もちろん、法整備・技術改善・ユーザー教育など、今後クリアすべき課題は多く残されています。しかし、web3は単なる技術トレンドではなく、インターネットの“次の当たり前”になる可能性を秘めています。
これからも進化が止まらないこの分野を、ぜひ引き続き注目していきましょう。
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