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はじめに
「web3」という言葉が注目を集めていますが、その背後にはさまざまな革新的な技術が存在します。
単なるバズワードではなく、web3はインターネットの構造そのものを根本から変えようとする大きな潮流です。
この記事では、web3を支える中核技術について、初めて聞く方でも理解しやすいように解説します。
ブロックチェーン:分散型の信頼インフラ
web3の根幹を支えているのがブロックチェーン技術です。
これは、複数のコンピュータ(ノード)によってネットワーク上に分散保存される取引記録のデータベースのようなもの。すべてのノードが同じ情報を共有し、互いに照合する仕組みによって、データの改ざんが極めて困難になっています。
もともとはビットコインの基盤技術として登場しましたが、今ではweb3全体を支える信頼の基盤として広く活用されています。中央管理者を持たず、ユーザー同士の合意で情報を記録・更新できるこの仕組みこそが、web3の非中央集権性を実現しているのです。
スマートコントラクト:自動で動く「契約のロボット」
次に重要なのがスマートコントラクトです。
これは、ブロックチェーン上で自動的に実行されるプログラム型の契約を意味します。事前にプログラムされた条件が満たされると、人の介入なしに契約内容が実行される仕組みです。
たとえば、「代金が支払われたら自動的に商品データを送信する」といった処理が、信頼性の高い状態で可能になります。
スマートコントラクトの考え方は1990年代に暗号学者のニック・サボ氏が提唱しましたが、これを実用レベルで実現したのがイーサリアム(Ethereum)というプラットフォームです。
NFT(非代替性トークン):唯一性をもつデジタル資産
web3を語るうえで避けて通れないのがNFT(Non-Fungible Token)です。
NFTとは「唯一無二の価値をもつデジタル資産」をブロックチェーン上で表現するためのトークンで、アートや音楽、ゲーム内アイテムなど、複製できない形で所有権を証明できます。
これにより、アーティストは自分の作品をデジタルで販売したり、購入者はデジタル資産を所有・売買したりすることが可能になりました。コピーできるはずのデジタルデータに「唯一性」という概念を持ち込んだ点が、NFTの画期的なポイントです。
その他の重要技術:暗号通貨・分散型ID・ストレージ技術
ブロックチェーン、スマートコントラクト、NFTの3つに加えて、web3の理解には暗号資産(クリプト)、分散型ID(DID)、分散型ストレージ(IPFSなど)といった技術も欠かせません。
- 暗号資産は、価値交換の媒体として機能し、報酬システムやガバナンスに用いられます。
- 分散型IDは、ユーザー自身が自分のIDやデータを管理できる技術です。
- 分散型ストレージは、ファイルを中央サーバーではなくネットワーク上に分散保存します。
こうした技術が組み合わさることで、web3は「中央の管理者に依存しない、自律的で透明性のある新しいインターネット体験」を提供できるのです。
おわりに
web3の世界は、単にインターネットが進化するだけでなく、権限の分散・個人の主権・透明な価値のやりとりといった本質的な変化を伴っています。
その土台となっているのが、今回紹介したブロックチェーン、スマートコントラクト、NFTといった技術です。
難しそうに思えるかもしれませんが、これらの技術はすでに多くのサービスに組み込まれており、日常の一部になりつつあります。
未来のインターネットを形づくるための基礎を、ぜひ今のうちに少しずつ理解してみてください。
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